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ECサイトのCVR(コンバージョン率)=購入率は平均約3%|数値が低い理由と改善方法も


CVR(コンバージョン率)は、Webサイトに訪れたユーザーが、自社が目標とする行動(コンバージョン)をした割合を表す数値です。

自社が目標とする行動の例として、ECサイトなら商品の購入が1つのゴールとして挙げられます。

ほかには、商品の問い合わせや、商品予約などもコンバージョンとして数えることもできます。

今回は、ECサイトのCVR改善方法や、CVRが悪い原因を紹介します。

 

ECサイト・アパレル等、各業界・媒体でのCVRの目安


ECサイトのCVRは2〜3%といわれています。その他、以下に業界・業種ごとのCVRをまとめましたので、ご覧ください。

 

ビジネスカテゴリ

Google 検索広告の平均 CVR

アート・エンターテインメント 4.81%
動物・ペット 15.45%
アパレル/ファッション・ジュエリー 2.06%
弁護士・法務サービス 9.33%
販売中の自動車 5.77%
自動車の修理・サービス・部品 12.74%
美容・パーソナルケア 6.88%
ビジネスサービス 5.31%
キャリア・雇用 4.85%
歯科医・歯科サービス 13.33%
教育・指導 5.93%
金融・保険 5.59%
家具 2.59%
ヘルス・フィットネス 9.21%
家・リノベーション 11.21%
商工業 7.78%
サービス(ウェディング・清掃) 10.18%
内科医・外科医 15.07%
不動産 3.52%
レストラン・食品 5.54%
ショッピング、収集品、ギフト 3.07%
スポーツ・レクリエーション 5.86%
旅行 5.19%

 【参考】2022 Google Ads & Microsoft Ads Benchmarks for Every Industry (New Data!)|WordStream


また以下のとおりCVRは、各媒体や広告手法、ユーザー行動の種類によっても異なります。

  • Google広告:3~8%(ECサイトの場合は1%)
  • SNS広告:(インスタ)10%・(Twitter)1.5%・(Facebook)14%
  • メルマガ:1~5%
  • 楽天市場(転換率):3%(5万円以下の一般商品の場合)
  • Amazon:9.5%

 

もちろん、数字はあくまで目安です。自社ECサイトを分析する一つの基準としてお使いください。

ECサイトにおけるCVR(コンバージョン率)とは訪問者の内で商品購入に至った割合


前述の通り、コンバージョンとはサイトにおける目標に対する成果のことです。
ECサイトにおけるコンバージョンとは主に商品の購入にあたります。CVR(コンバージョン率)は購入回数/セッション数(クリック数)の式で算出できます。

ECサイトへのアクセス数が十分あるにもかかわらず、CVRが低いケースは赤信号です。
CVRが低いということはサイトの流入数は多いにもかかわらず、商品の購入に至っていないことを意味します。

ユーザーが商品購入をせずCVRが低い場合は、何らかの改善をする必要があります。

ECサイトのCVR(コンバージョン率)の計算例


ECサイトにおけるCVRは、サイトの訪問者数に対する購入者数の割合で計算されます。

以下で一例を記載します。

 

購入者数(300人)/ 訪問者数(10,000人)=3%

 

前述のとおり、ECサイトでのCVRは、2~3%が目安といわれています。
自社のECサイトを分析して、目安や目標CVRとどれくらい乖離しているのかを確認しましょう。

ECサイトのCVR(コンバージョン率)が低い原因6選|サイトor広告戦略に問題


ECサイトのCVRを計算でき、「自社のECサイトにおけるCVRが低い」と分かった段階で、原因分析をしていきましょう。
ここでは、ECサイトのCVRが下がるよくある原因を6つピックアップして解説します。

① サイト構造がUIへの配慮に欠ける

サイトの構造がユーザーにとって分かりにくいと、ECサイト上で迷子になってしまいブラウザで「戻る」ボタンを押したり、訪問者が購買をやめていると考えられます。
サイト構造が分かりにくい例として、以下のようなことが想定されます。

  • TOPページから商品ページへの導線設計が悪い
  • 商品ページの購買ボタンのデザインが分かりづらい

確認方法として、ユーザー目線で自社のECサイトを実際に閲覧して、ECサイトのUI(ユーザーインターフェース)を考えましょう。

② ターゲティングに失敗している

ターゲティングがあいまいだと、ユーザーの心を掴むことはできません。
広告のターゲット層がサイトのターゲット層とずれるとCVRは上がりません。
広告を見てサイトに流入したユーザーの求めている情報や商品がサイトに掲載されていないと購入につながらないでしょう。

ターゲット層やキーワードを絞り込むために「ペルソナ」を設定しましょう。

ペルソナとはターゲットとする人物を具体的なイメージに落とし込んだものです。

ペルソナを設定することで、ターゲット層に合った広告やサイトのデザインやコンテンツの作成ができます。サイトも広告も設定したターゲットへ特化することで、CVRの改善が期待できます。

③ 環境・市場が変化した

市場が成長すると、他にも多くの競合が進出してきます。
結果として、自社の見込みユーザが他社へ分散してしまいます。
もし大手企業が参入すると、資金力や人手の物量に勝つことは難しいでしょう。
大手企業が自社の類似商品に多額の広告出稿を行って販売促進を行えば、自社のECサイトの流入数やコンバージョン数が減ってしまうことが想定されます。

 

また他にも、昨今の物価高騰による価格競争や、そもそもの需要低下なども考えられます。
そのため、日々の市場調査を怠らず、仕入れ管理ツールを活用するなど、時代に合わせた事業展開が求められます。

④ ECサイト自体の信頼性が低い

ECサイトの信頼性が低いと、訪問されることはあっても購買してもらうことは少ないといえるでしょう。ECサイトの信頼性とは、自社商品のブランディングや実際の口コミなど、さまざまな要素が含まれています。たとえば、以下のような点が挙げられます。

  • レビューの評価に対して適切な対応が取れてない
  • 商品説明が足りていない
  • 画像が充実していない

とくにUGC(User Generated Content)を活用し、分析・改善を行うことで、CVRが改善される可能性があります。UGCとは、ユーザーが生成したコンテンツのことです。UGCを集めて自社サイトに掲載することでCVRの改善が期待できます。

⑤ 顧客のロイヤルティが低い

顧客のロイヤルティが低いと、CVRが下がる可能性があります。

顧客のロイヤルティ(Royalty)とは、商品・サービスに対しての愛着や思い入れ、信頼感のことです。

顧客のロイヤルティを高められるように自社ECサイトのコンテンツやデザインを改善すれば、CVRが向上する可能性が高まります。

⑥ コンテンツが量・質ともに不十分である

ECサイト内のコンテンツが充実していないことで、CVRが低くなっていることが考えられます。

コンテンツの量・質についての内容を以下にまとめました。

  • コンテンツの量:説明文の量、動画・画像、口コミの量
  • コンテンツの質:ユーザーファーストのコンテンツ(読みやすいコンテンツ・飽きにくいコンテンツ)、今すぐ購入したいと思わせるようなコンテンツ、口コミの高評価

自社のECサイトのコンテンツの量・質について問題ないか、再度確認しておきましょう。

ECサイトのCVR(コンバージョン率)の改善方法10選


ECサイトのCVRが低い原因を押さえたところで、ここからは詳しい改善方法について紹介します。

CVRの改善は、地道に試行錯誤することでしか達成し得ません。

以下で紹介する内容を参考に、自社のECサイトを適切に改善してください。

① ターゲティング・SEO対策を見直す

ECサイトにかかわらず、商品・サービスのマーケティング戦略としてターゲティングを見直しましょう。ターゲットに応じたコンテンツやデザイン設計を施すことで、CVRの改善に向かいます。

加えて、ECサイトのSEO対策を行いましょう。

ターゲティングを見直した後に、ターゲットがどのような文言で検索するかを分析し、検索ニーズを満たすようなコンテンツを作成することで、流入が見込めます。検索エンジン経由のCVRは高い傾向にありますので、検索エンジン経由の流入を増やすことでサイト全体のCVR向上に繋がります。

とくにECサイトのSEO対策には、Googleのショッピング検索に掲載されるような説明文や商品タイトルが肝になります。

 

関連記事:SEO対策にレビューを活用しよう! レビュー(クチコミ)がSEOに向いているワケ

② サイト表示をスマートフォンに対応させる

レスポンシブ対応は、現代では必須といえるでしょう。ECサイトでは、流入の約90%以上がスマートフォン経由であるとの結果が出ています。
そのため、サイトのデザインやユーザビリティは「モバイルファースト」を意識した構成が必要です。
どの端末からでも、サイズが整っていて見やすいレスポンシブデザインに対応することで、CVRの改善につながるでしょう。

 

参照:令和2年度 産業経済研究委託事業 (電子商取引に関する市場調査) |経済産業省

③ トップページへのから商品購入までの導線を工夫する

商品購入までの動線を簡略化しましょう。複雑なステップや、手間が多いとせっかくの購入意欲があるユーザーを取りこぼしてしまいます。具体的な施策例を以下に記します。

  • トップページにすぐ戻れる構造にする
  • トップページにキャンペーン対象商品やオススメ商品の情報をわかりやすく掲載する
  • 初回ユーザーでも登録せずにゲストモードで購入できる機能を搭載する
  • 数多い決済方法の手段をカンタンに選択しやすく設計する

このような工夫で、ECサイト内で自分がどこにいるか分からなくなった場合でも、スムーズに商品の選択、決済確定まで進めてもらえます。
できるだけ、ゴールである「購入」を阻む要素を無くし、購入意欲のあるユーザーの離脱を防ぎましょう。

④ レビューを充実させる

ECサイトにおいてユーザーの商品レビューは信頼性を確保するためにかなり有効です。
初めて訪問するECサイトで商品を購入する際、商品レビューを参考にするユーザーはとても多くいます。
高評価レビューが投稿されていれば、購入を検討しているユーザーの背中を押す効果があります。
レビュー数を増やすために、購入したユーザーへレビューの投稿を促す施策も必要です。
レビュー投稿でユーザーに何かを還元する仕組みを作ったり、簡単に入力できるシステムを設計したりして、レビューを充実させましょう。
また、ユーザーの声を分析して、商品改善をおこなうことで、商品の魅力が向上し、売上アップにつながります。

⑤ 分かりやすい商品画像・写真に変更する

ECサイトに商品写真を充実させることで購買意欲を高められます。

文字だけでは、どのような色や形かの想像ができません。

もし、商品写真がなくユーザーが違ったものを想像して購入してしまった場合、ECサイト上に「届いた商品がイメージしていた商品と違っていた」といったレビューが掲載され、CVRが下がる原因になることがあります。

写真を充実させることで、購入後のイメージを想像しやすくなるでしょう。

商品を360度回転させて、全方向からチェックできる画像も多くなっています。

それだけ、商品写真は重要だといえます。掲載する写真の色合いや質感が、販売している商品と差がないよう注意して写真の選定を行いましょう。

⑥ 購入時の入力をスムーズにする

ECサイトで商品を購入する際の、記入項目を極力減らすことで、CVRを向上させられるでしょう。

入力内容が多いとユーザーが「入力が面倒だ」と感じて、購入してもらえないことはよくあります。

発送に必要な最低限の項目のみを入力してもらったり、お届け先の情報が紐づけられたアカウントサービス(Amazon PayやSNS認証など)を活用したりすることで、スムーズに購入してもらえるような工夫をしましょう。

⑦ AIのレコメンド機能を高める

レコメンド機能は、とある商品をみているとき、「こちらもオススメ」のように別の関連した商品を表示させる紹介機能です。

類似商品をユーザーに提案することでCVRを高められます。

しかし、「ジャムの法則」といわれる、選択肢が多すぎると逆に選べなくなる心理現象があります。

6種類のジャムを紹介したグループと、24種類のジャムを紹介したグループでは、CVRに10倍もの差がありました。

そのため、マジカルナンバーと呼ばれる、選択肢5~9つが多くのマーケティングで取り入れられています。

⑧ 決済方法を充実させる

決済方法は、複数用意して間口を広くしましょう。

代引き購入ができるアナログなシステムから、クレジットカード・電子マネー・コンビニ後払い決済まで幅広く対応することで、多くのユーザーを取り込めます。

また、Amazon Payや楽天ペイなどの「ID決済」は、簡単にインターネット決済ができる便利なシステムです。さまざまな決済方法を充実させることで、ECサイトのCVR改善につながるでしょう。

⑨ 接客ツールを利用する

接客ツールを利用することでCVRの改善が期待できるでしょう。

例えば「チャットボット」は、ユーザーからの質問に自動で回答をするプログラムです。

リアルタイムで疑問を解消できるので、ユーザーの不安解消に繋がります。

他にも、ユーザーが求める商品をすぐに探し出せる「検索ツール」は必須の機能といえるでしょう。

目当ての商品が探せず、探す手間がかかることは、ユーザー離脱につながります。

そのため、適切な接客ツールを導入してCVRの改善を図りましょう。

⑩ かご落ちの原因を分析する

「かご落ち」とは、買い物かごに入れたまま実際に購入されない商品のことです。

ECサイトでは、かご落ち商品が約7割あるともいわれています。

これまで紹介した対策を行っても、商品を購入しないユーザーがどうしても発生してしまいます。

かご落ちのユーザーをへらすためにも、メルマガや公式LINEなどで顧客の購買意欲を高めるような情報を高頻度で発信しましょう。

通常の配信と、かご落ちユーザーのみへの配信では、かご落ちユーザーへの配信の方が高いCVRになるという結果もあります。

その他のかご落ちの原因を究明して、CVRの改善を進めましょう。

まとめ


ECサイトのCVR低下の主な原因は、ターゲティングとコンテンツ力です。

CVRを改善するために、明確なペルソナ設定やユーザーファーストの施策をすすめ、ECサイト事業を成功させましょう。

 

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